重馬場に強い、2017年の皐月賞出走馬をピックアップ

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中山競馬場は4月8、9日とレース開催日にあいにくの雨にたたられました。11日(火)もまとまった雨が降り、週末にかけても晴れの日が少ないとの予報が出ています。芝の育成(馬場の回復)は日照量によって大きな違いが出ることから、今後の天気も気にかかるところです。

9日の中山芝コースは、土曜日から降ったり止んだりを繰り返す雨で馬場が悪化。前々の位置(逃げ・先行)をとった馬の好走するシーンが目立ちました。

日曜日の10R隅田川特別(4歳以上1000万下)は、それまで詰めの甘いレースが続いていたエクラミレネールが他馬とは1頭だけ違う手応えで圧勝。重馬場の巧拙も予想をする上で欠かすことのできない日だったと言えます。

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4月16日、中山競馬場では牡馬クラシックの第1冠「皐月賞」が行われます。大物牝馬のファンディーナ対牡馬勢の戦いに注目が集まる1戦ですが、心配なのは馬場。このままグズグズとした天気が続くようだと、大幅な馬場の回復は見込めず、重の巧拙がレースの勝敗を分けることになる可能性もあります。

今回の記事では、皐月賞出走予定馬から重馬場巧者をピックアップしてご紹介。

 

重馬場巧者(そう)な6頭をランキング形式にピックアップ

重馬場が巧者(そう)な6頭を順にピックアップしてみます。あくまで個人的な見解です。ランキング形式で! それでは張り切って行ってみましょう!

 

1位 アメリカズカップ

父:マンハッタンカフェ

母:ベガスナイト(母父:コロナドズクエスト)

主な勝ち鞍:きさらぎ賞(GⅢ)1着

解説

新馬戦→野路菊S(オープン)と連勝し、休み明けで臨んだ朝日杯FSは9着と敗退。年明け初戦のきさらぎ賞で、単勝1倍代のサトノアーサーを破る金星を挙げて皐月賞に参戦します。

重馬場で行われたきさらぎ賞は先行から直線で抜け出すと、2着サトノアーサーに0.3秒差をつける完勝。馬場を気にすることなくすいすいとスピードに乗る姿はいかにも重巧者の走りでした。前肢のパワーで走るマンハッタンカフェ産駒。前肢を力強くかき込む走りのため、中山+重馬場はずんどばな舞台設定です。出走馬の中ではもっとも重馬場が得意だと思います。

 

2位 クリンチャー

父:ディープスカイ

母:ザフェイツ(母父:ブライアンズタイム)

主な勝ち鞍:すみれS(オープン)1着

解説

新馬戦を12着に敗れた後、未勝利→すみれSを連勝しました。

ディープスカイ産駒のすみれS勝ちと言えばスピリッツミノルがパッと思い付きますが、クリンチャーも同じく逃げ先行馬。

スピリッツミノルは父系と母系のKey to the Mintを通じてGraustarkをクロスするのでスタミナとパワーを補給。クリンチャーは母父ブライアンズタイムを通してGraustarkをクロスするので、こちらも重馬場は上手いはずです。

母系を見ても中山の上りのかかるコースはずんどばで極端に馬場が悪化して前付けできるようなら怖い1頭。

 

3位 サトノアレス

父:ディープインパクト

母:サトノアマゾネス(母父:デインヒル)

主な勝ち鞍:朝日杯FS(GⅠ)1着

解説

ディープインパクト産駒ながら、しなやかに切れるのではなく、タフな馬場をパワーで差すタイプです。阪神コースで行われた朝日杯FSを勝っているように、上りはかかった方がベターで、母系に流れるパワーからもおそらく重馬場巧者。

弱点でもあり長所でもあるのですが、この馬は東京でも中山でも好走できるタイプで、このコースがベスト!というのがなかなか見つけ難い…サウンズオブアースのような、どのGⅠでも2着に来るような煮え切らない馬になるのかなと思っていたら、あっと驚くGⅠ制覇。

それだけに、重馬場などの特殊な条件がドンピシャにハマる可能性が高い1頭。重馬場だからとディープインパクト産駒が嫌われるようなら面白いですね。

 

4位 マイスタイル

父:ハーツクライ

母: ファーストナイナー(母父:フォーティナイナー)

主な勝ち鞍:弥生賞(GⅢ)2着

解説

前走の弥生賞は横山典騎手の好騎乗もあり、スローペースを逃げて2着。上りのかかる競馬が得意で、勝利した未勝利戦も5着に健闘したシンザン記念も重馬場でした。

馬体やドシンドシンと走るフォームからもパワータイプで、おそらく重たい芝はOK。雨で滑る馬場は走ってみないと分かりませんが、上りが36秒よりかかる流れであれば好走の可能性もありそうです。

 

5位 アウトライアーズ

父:ヴィクトワールピサ

母:ウィストラム(母父:フレンチデピュティ)

主な勝ち鞍:スプリングS(GⅢ)2着

解説

良馬場しか走ったことはありませんが、頭の高い走法と上りの脚に限界があること、ヴィクトワールピサ×フレンチデピュティという血統面からもおそらく重馬場は巧者。

スプリングSでは勝ち馬のウインブライトからワンテンポ仕掛けが遅れた分敗れましたが、この馬の捲りもなかなかのもので、あの脚捌きからも重い芝と中山は適性として合っています。

また、気性的にかかりやすいこの馬にとって重い芝で足を取られるのはむしろプラス。

血統の字面としてはかなりの重馬場巧者だと思うのですが、実際に走ってみないと分からないのでこの順番に。

 

6位 トラスト

父:スクリーンヒーロー

母:グローリサンディ(母父:エイシンサンディ)

主な勝ち鞍:札幌2歳S(GⅢ)1着

解説

地方所属から中央に移籍し、重賞戦線で掲示板に載る活躍を見せています。地方時代はダートで勝ち鞍があるようにパワー型です。素軽い先行力がある反面、追ってからの甘さが目立つタイプ。洋芝の札幌2歳Sや重馬場のシンザン記念で好走しているように重馬場は上手で、パワーもあります。サンデーサイレンスのクロスからも中山は合っているものの、極端な重馬場だと厳しいかもしれません。

 

逃げ・先行馬

重い馬場が合いそうな上記の6頭はサトノアレスとアウトライアーズを除くと、逃げ・先行馬です。重馬場はキックバックで泥が飛んでくること、上りが極端にかかると差し・追込みがききにくくなることを考えても、 逃げ・先行馬にはプラスになります。

 

皐月賞で逃げるのは?

皐月賞はピュアな逃げ馬がいませんが、アダムバローズ、クリンチャー、マイスタイルの逃げ争いになりそうですね。桜花賞制覇でノッている池添騎手のアダムバローズは逃げるとなかなかしぶといタイプ。

アダムバローズは血統的にはしなやかなタイプになるのかなと思いきや阪神や京都の内回りに良績がある逃げ馬で、馬体を見てもパワーを感じさせます。 気性的な難しさを抱えているので、スムーズな競馬ができればチャンスは十分に。

 

まとめ

週中にどれぐらいの雨量があるのか、また、週末のレースでどれほど馬場が荒れるのかはなかなか予想ができません。

中山競馬場で導入しているエクイターフは傷みに強いため晴れ間が出て乾けば時計的にはそれほど影響は出ないはずですが…

クラシック・レースで大物牝馬も参戦する皐月賞、できれば良馬場で行われて欲しいものです。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。