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フローレスマジックとブラックスビーチーーオークス('17年)を狙うディープインパクト産駒

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'17年の牝馬クラシック戦線はここまでフランケルとハーツクライ産駒が中心とされています。'15、'16年とオークスを連覇したディープインパクト産駒は、皐月賞に参戦したファンディーナ、エルフィンSを制したサロニカともに春の休養が発表され、大物と呼べる馬が不在の状況です。

優先出走権、獲得賞金によってオークスへの出走が確定しているディープインパクト産駒はフローレスマジックとブラックスビーチの2頭。ソウルスターリング、リスグラシュー、アドマイヤミヤビといった素質馬の陰に隠れていますが、この2頭も素質の高さでは引けを取りません。今回の記事はこのディープインパクト産駒の2頭がオークスの舞台で好走することができるのかについて考えます。

 

オークスを好走したディープインパクト産駒

フローレスマジックとブラックスビーチの解説をする前に、過去のオークスで好走したディープインパクト産駒を見ておきましょう。

 

'16年 勝ちタイム:2:25.0

1着:シンハライト

母シンハリーズ(母父シングスピール)

上り3F:33.5

3着:ビッシュ

母バランセラ(母父Acatenango)

上り3F:34.1

'15年 勝ちタイム:2:25.0

1着:ミッキークイーン

母ミュージカルウェイ(母父Gold Away)

上り3F:34.0

3着:クルミナル

母クルソラ(母父Candy Strips)

上り3F:34.4

'14年 勝ちタイム:2:25.8

2着:ハープスター

母ヒストリックスター(母父ファルブラヴ)

上り3F:33.6

'13年 勝ちタイム:2:25.2

2着:エバーブラッサム

上り3F:34.6

母サクラサクⅡ(母父デインヒル)

3着:デニムアンドルビー

母ベネンシアドール(母父キングカメハメハ)

上り3F:34.7

'12年 勝ちタイム:2:23.6

1着:ジェンティルドンナ

母ドナブリーニ(母父Bertolini)

上り3F:34.2

2着:ヴィルシーナ

母ハルーワスウィート(母父Machiavellian)

上り3F:35.3

 

ディープインパクト産駒は'11年のクラシックが初年度なので、2世代目からは毎年オークスで好走馬を輩出しています。

'12〜'15年までは好走馬の母父はマイラー(スプリンター)か、産駒が短距離に偏る種牡馬が配されていることが分かります(ただし、デニムアンドルビーは除く)。ディープインパクトの柔らかさを補うためにはマイラーのパワーを必要とするからです。

ところが、'16年に好走したシンハライトとビッシュは母父が中距離馬。これまでの傾向とは異なる配合の馬が好走しましたが、これは単純にこの年のオークスではシンハライトの力が頭抜けていたのだと思います。実際のレース映像を観れば、1着馬はかなり苦しい位置取りからバキューンと弾ける脚を使っていることが分かるはずです。

また、上り3Fが33秒台半ば〜34秒台の半ばが多いように、後方から鋭く差し込んでくる馬が台頭しているのがオークスの特徴で、先行して粘るタイプのディープインパクト産駒はいくらか割引が必要でしょう。

それでは、いよいよフローレスマジックとブラックスビーチの解説を!

 

フローレスマジック

父:ディープインパクト

母:マジックストーム(母父Storm Cat)

厩舎:木村哲也(美浦)

2歳時のアルテミスSでリスグラシューの2着に好走し、その後はクイーンC→フローラSと間隔を十分にとったローテーションで重賞を2走したものの、いずれも3着と歯がゆいレースが続きました。

3歳初戦となったクイーンCは2着アエロリットがNHKマイルカップを制したようにハイレベル決着のレース。フローレスマジックも1:33.6と好タイムで走っていることからもっているポテンシャルは高いことが分かります。

 

血統

母マジックストームはラキシス、サトノアラジンと2頭の重賞勝ち馬(内GⅠ1勝)を出している名繁殖牝馬。

父が同じ姉と兄も3歳の秋以降に本格したタイプで、フローレスマジックもこの傾向に当てはまり、現時点では走りもパワーがつき切っていない印象を受けます。

ディープインパクト×Storm Catはダービー馬キズナ、桜花賞馬アユサンなど活躍馬が多数出るニックスとして有名です。

 

今後に向けて

フローレスマジックは兄よりも姉に似ていて、パワーよりもしなやかさが表現された馬体をしており、東京コースのアルテミスSもクイーンCも自身のキレる脚は発揮しての2、3着。この馬よりもキレ味やパワーで優っていた馬が前を走っていたというだけで、この2戦については血統通りの走りをしています。前走のフローラSは先行して伸びずバテずの走りで、まだ馬体に身が入ってないからこそ最後の一脚に欠けるとも言えますが、正直物足りない内容だったことは確かです。

もう少し馬体に身が入り、東京の最後の坂も力強く駆け上がれるだけのパワーが身につけばオークスでも……と思わせる1頭。ただ、完成は秋以降の可能性も高いので……。

 

不安点

ラキシス、サトノアラジンはそれぞれ関西の名門、角居厩舎、池江寿厩舎の管理馬で、フローレスマジックは美浦の木村哲厩舎の所属です。

木村哲厩舎と言えば、代表的な管理馬として複数の重賞を勝っているアルビアーノが挙げられます。ただ、前述の2厩舎と比べるとクラシック制覇に向けて実績の面では見劣りします。

オークスは厩舎力も問われる1戦になりそうです。

 

ブラックスビーチ

父:ディープインパクト

母:ビジュアルショック(母父Kingmambo)

厩舎:角居勝彦(栗東)

未勝利を勝ち上がるのに4戦を要しましたが、未勝利→スイートピーSと連勝してオークス行きの切符を手にしました。

前走のスイートピーSは前半の1000mが60.9のスローペースを、好位の外から上り33.4の鋭い脚で差し切り勝ち。ディープインパクト産駒らしいキレ味というよりも母父Kingmamboらしいパワーの表現されたフォームで、「だから」東京の坂を駆け上がる時に既に先頭に立っていたのは納得。小脚も効くけれどしなやかさも感じさせる走りで、東京コースは合っています。

 

血統

母ビジュアルショックは父Kingmambo×母父Pulpitという良血馬。パワー系マイラーのKingmamboとパワーとしなやかさを伝えるA.P.Indy直仔のPulpitですから、そこにディープインパクトが掛け合わされれば東京の長い直線をバキューンとキレるタイプに出ても不思議ではありません。

ディープインパクトの柔らかさを補う部分として母父にパワー系マイラーが入るのは好印象で、ブラックスビーチの牝馬としてはガッチリとした馬体もここに由来しているのでしょう。

フォームは小脚が効いたピッチにも見えますが、しなやかさも感じさせる走りなので東京の長い直線は合っています。

 

今後に向けて

スイートピーSの勝ち馬がオークスで馬券圏内に好走したのは'06年のカワカミプリンセス(オークス1着)まで遡らないといけません。過去にはジェラシーやブロードストリートなど、オークスで4着に好走した馬はいますが、それでも3着までに入るのはかなり厳しいのが現実。

ブラックスビーチは関西馬なので、スイートピーS→オークスのローテーションは間隔が詰まった上での長距離輸送になりますから、3歳春の牝馬にとってはかなりハード。

馬体は伸びがあるので2000mまでは問題がなさそうですし、今までのレースを観てもスローペースをきっちりと折り合っているので、2400mの距離もOKです。

後は桜花賞組との力関係ですが、これまでのレースからはオークスを好走できるだけのポテンシャルを見せているとは言えず……。とは言え、角居厩舎がGⅠに出走させる素質馬ですから、オークスで大駆けをするのではないかという怖さはあります。

 

不安点

不安点は先に述べたように、ローテーションと連続の長距離輸送に牝馬が耐えられるのかどうか、そして、一線級の牝馬と互角に戦えるだけの能力があるのか、でしょう。

どちらも走ってみないと分からないというのが本音ですが……。

ただ、血統的にも馬体を見てもオークスの2400mはぴったりとは言えませんが、適性としては合っているのは確かです。

 

まとめ

フローレスマジックもブラックスビーチも母父がパワー系マイラーなので、'15年までの好走馬の傾向には当てはまっています。

2頭ともに体型や走りを見ても東京の2400mに大きな不安はなく、問題はポテンシャルが実績上位馬を凌ぐものがあるのかどうかと、体調が整っているのかどうか……です。

フローレスマジックにつてはアドマイヤミヤビやアエロリット、リスグラシューといった実績馬と接戦歴があるためある程度の実力を測ることができますが、ブラックスビーチは強敵との対戦歴がなく全くの未知数だけに、走ってみないと分からないのが正直なところです。

ただ、この両馬、血統としてはきちんと筋が通っているので、オークスで大駆けがあっても驚けません。それだけにレースまで取捨を考えたい2頭。

 

皆様にとっても素晴らしいオークスになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

 

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