読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
MENU

中内田充正厩舎は好調なのか?ーー2017年、4月17日時点の解説

f:id:hakusanten:20170419232302j:plain

中内田厩舎は開業4年目となる2017年、年明けから好調なスタートを切ると一時は全国厩舎リーディングのトップに立つ活躍も見せました。

hakusanten.hatenablog.jp

 クラシックも始まり、注目のGⅠが目白押しの春競馬。名門厩舎が勝ち星を増やす時期だけに、中内田厩舎はリーディング上位を守ることができるのでしょうか?

今回の記事では4月17日時点の中内田厩舎の成績をもとに、好調が続いているのかどうかを分析します。

 

2017年4月17日時点での成績

中内田厩舎の4/16(日)終了時点での成績を確認しておきましょう。

 

17 - 7 - 7 - 31 (1着 - 2着 - 3着 - 着外)

勝率:.274

連対率:.387

3着内率:500

出走数:62

3/5(日)の時点と比べて勝率、連対率、3着内率ともに下がりましたが、まだまだ全体の率はハイアベレージ。特徴的なのは「出走回数」の少なさが挙げられます。例えば、現時点(4/16)でのリーデンィングトレーナー・角居厩舎の成績を見てみると、中内田厩舎との出走数の差は歴然です。

 

角居厩舎

24 - 11 - 11 - 61

勝率:.224

連対率:.327

3着内率:430

出走数:107

これだけの出走数でこの率をキープしている角居調教師もさすがの一言……。調教師は前2年の成績をもとに管理する馬房数が決まるため、開業4年目の中内田厩舎と関西の名門・角居厩舎とは出走数に差ができるのは自然なことです。

現状、角居厩舎は活躍馬が軒並み高齢化しGⅠを狙えるような看板馬が不足気味。日経賞1着→天皇賞・春を目指すシャケトラが厩舎の1番馬になりますが、その下の3歳勢には「大物」と呼べるような所属馬がいません。そのなかでこれだけの数字を出しているのは「厩舎力」の高さを示していると言えますね。

角居厩舎のような実力のある名門を、中内田厩舎が追い越すことができるのかも2017年の楽しみのひとつです。

 

同時期に開業した奥村武厩舎との比較

次に、中内田調教師と同じ時期に厩舎を開業した関東の新進トレーナー・奥村武調教師の成績を見てみると、この2人の出走数はほぼ同じです。

 

奥村武厩舎

12 - 4 - 3 - 45

勝率:.188

連対率:.250

3着内率:297

出走数:64

奥村武調教師も全国トレーナーリーディングの10位につける好調な厩舎ですから、出走数が同じなかで中内田厩舎がいかに高いアベレージを残しているのかが分かります。複勝率が50%ということは、単純に言えば2頭に1頭は3着までに入るということなので……レースの調教師欄に「中内田」の名前を見つけたら、とりあえずチェックが必要です。

 

で、中内田厩舎は好調なのか?

勝率が3割を超えるような一時期の「絶好調」から較べると、さすがに失速気味なのは致し方なし、と言ったところです。開業4年目というと、まだまだ厩舎の中でバリバリのオープン馬は少なく、下級クラスで勝ち星を増やしていかなければリーディング常連の厩舎に太刀打ちはできません。

中内田厩舎の現3歳は質の高い馬が平均的に揃っているため、今年はこの世代で勝ち星を量産していきたいところですね。ダービーが終われば番組編成が替わり、3歳も古馬と混じって1000万下→1600万下のレースに出走できるため、「勝ち数」はそこそこ伸ばせるのではないでしょうか。

新しく2歳馬がデビューするまで3歳世代がどこまで勝ち星を伸ばせるのかが大きなポイントになってきますが、現時点での中内田厩舎は「好調」と判断してOK。

 

注目馬をチェック

中内田厩舎が全国リーディングの上位をキープし続けるには所属馬の活躍が欠かせません。開業4年目のため、厩舎の看板馬がまだまだ少ない厩舎ですが、今回の記事では獲得賞金の上位5頭(障害馬を除く)をピックアップ。また、今年の勝ち鞍数を増やすと予想される3歳世代の素質馬もあわせてご紹介します。

 

獲得賞金上位5頭

1位:パールコード 4歳牝馬

2位:ピンストライプ 5歳牡馬

3位:グレイトパール 4歳牡馬

4位:ヴゼットジョリー 3歳牝馬

5位:イーデンホール 5歳牡馬

開業4年目の厩舎らしく、獲得賞金上位の馬たちも年齢の若い馬が多いですね。それでは1頭ずつ解説していきます。

 

パールコード

父:ヴィクトワールピサ

母:マジックコード(母父:Lost Code)

馬主:H・H・シェイク・ファハド

パールコードは昨秋、秋華賞2着、エリザベス女王杯4着と牝馬限定のGⅠ戦線では十分に戦える能力を示しました。すっと好位に付けられる先行力とコーナーをスムーズに加速できる機動力が魅力で、前受けすればかなりしぶとい脚を使うタイプです。そのため、主戦を務める川田騎手とはかなり手が合う馬。前走の地方交流重賞マリーンCも含めた9戦のすべてで掲示板を確保しているように安定感があるのも強味です。

JRAの古馬牝馬のGⅠは春のヴィクトリアマイル(東京芝1600m)と秋のエリザベス女王杯(京都芝外回り2200m)の2レース。パールコードにとっては小回り・内回りの芝2000m前後が適性としてはずんどばなので、この2つのGⅠを勝ちきれるのかは難しいところですね……。厩舎サイドとしては前走、地方交流重賞に挑戦したのも「小回り+ダートで新味を」という目論みがあっただけではなく、距離適性の部分でヴィクトリアマイルを目標にするのは「?」マークが付いていたからだと思います。

今後、阪神芝内回り2000mのマーメイドSや札幌芝1800mのクイーンSなどに出走してくればぜひ買い目に入れたい馬で、能力的に牝馬限定の重賞を勝てる力をもっています。

 

ピンストライプ

父:バゴ

母:アバヤ(Storm Cat)

馬主:H・H・シェイク・モハメド

現在は1600万下に在籍し、芝・ダートを問わずに1400〜1600mのレースを中心に使われています。昨年の春から成績が安定し、前走の幕張Sはキャンベルジュニアやドーヴァーと言った1600万下では能力上位の馬たちに混じって3番人気に支持される(6着)など素質が見込まれている馬。順調に使われればオープンまでは上がれる好素材です。

ピンストライプはヴィクトワーピサやヴィルシーナ・ヴィヴロス姉妹の母父としても知られるMachiavellianと、その全妹Coup de Genieの全兄妹クロスが発生していることからも小回りや内回りを機動力で粘るタイプ。内回り>外回りですから、今後は夏のローカル開催などに出走してくれば狙ってみたい馬です。

ピンストライプの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

 

グレイトパール

父:キングカメハメハ

母:フォーチュンワード(母父:デヒア)

馬主:H・H・シェイク・ファハド

3歳の芝2000mの新馬戦でデビュー勝ちをすると、その後は芝路線を歩みましたが好結果が出せず、ダートに転向して500万下〜オープンまで4連勝。前走の仁川S(阪神ダート2000m オープン)は3番手先行から直線で抜け出し、上り35.8の鋭さで快勝しました。3着以下を9馬身離すレース振りで、オープン初戦を一発でクリアしたのはポテンシャルが高い証拠です。

今年の明け4歳馬のダート路線はフェブラリーSを制したゴールドドリームを筆頭にハイレベルと言われています。グレイトパールもここに加わることができるのかが注目です。今後はダート重賞への出走となりますから、この馬の活躍が今年の中内田厩舎のリーディング争いに大きく影響を与えることになりそうです。

前述のパールコードと同じくグレイトパールもファハド殿下の所有馬。中内田厩舎はシェイク・モハメド、シェイク・ファハド殿下とのつながりが強いので、馬主にも注意が必要です。

 

ヴゼットジョリー

父:ローエングリン

母:フレンチビキニ(母父:サンデーサイレンス)

馬主:社台RH

中内田厩舎に初重賞をプレゼントした3歳牝馬。GⅢ新潟2歳Sの勝利によって桜花賞とオークスに出走するための獲得賞金は足りているため、桜花賞を走り終わった後すぐに放牧へ出されました。

GⅠ阪神JF5着、ペルシアンナイトの勝ったアーリントンC4着と掲示板を確保する走りを続けていましたが、前走の桜花賞では先行して10着と大敗を喫しました。デビュー後の最低馬体重になった前走は体調面が整ってなかったのも敗因のひとつだと思います。

阪神JFやアーリントンCのバテずにジリジリと脚を伸ばしている走りからもマイルよりも長い距離に適性があるはずで、2400mのオークスは舞台として合っています。桜花賞の10着はマイルの追走力が問われたレースで本質的に中距離馬のヴゼットジョリーには厳しい流れになってしまいました。

オークスの舞台となる東京の長い直線であれば新潟2歳Sで見せた脚を発揮できる可能性はあり、適性としてはぴったりですから、人気薄での出走になるだろうことも含めて注目したいですね。

短期放牧で体調面がきっちりと整えば周りをあっと言わせる走りができるはず……。

 

イーデンホール

父:ゴールドアリュール

母:シーリーコート(母父:Distorted Humor)

馬主:GⅠレーシング

現在1600万下クラスに在籍。3歳時にはダートOPのヒヤシンスS2着など活躍を見せましたが、気性の悪さがネックとなり古馬になってからは足踏みが続きました。スムーズに走れた時の脚は素晴らしいものがあり、展開と気性的なものが噛み合えばオープン級の走りができる馬です。

2走前のドンカスターC(1000万下、京都ダート1400m)は、現オープン馬のキタサンサジン、コウエイエンブレムを相手に外目を捲る圧巻の差し切り勝ちを見せたように、気性の難しささえ出さなければ……。

ダート馬ながらスピードに乗った時の加速が抜群。気性的な問題から、そろっとスタートを出して後ろから捲り追い込む競馬しかできないので、東京のダートのマイル戦がベストな舞台でしょう。

オープンまでは上がれる素質馬ですから今後の走りに注目です。

 

3歳の注目馬

中内田厩舎には3歳世代の素質馬が多く揃っていますが、ここでは先述したヴゼットジョリー以外の2頭をピックアップ。

 

エクレアスパークル

父:ハーツクライ

母:プリティカリーナ(母父:Seeking the Gold)

牡馬クラシックに向かうため、新馬戦1着から格上挑戦した若葉S(皐月賞トライアル)で2着と好走しましたが、皐月賞は自重し自己条件のはなみずき賞へ出走。ところが、単勝1倍台の支持を集めながらも2着と敗退し、ダービー出走を考えると厳しい結果になってしまいました。ただ、ムリにダービーを目指さずにコツコツとレースを走れば「勝ち星」は計算できる馬なので、調教師リーディングを争う上では大切な馬だと言えます。

エクレスパークルはスローの新馬戦、ミドルになった若葉Sと異なるペースで好走したことからも高いポテンシャルをもっていることが分かります。父がハーツクライですからまだまだ成長の余地は十分で、半兄アンタラジー、半姉アグレアーブルを見ても3歳のクラシックには間に合わなかったので、ここはじっくりと育てて行って欲しい素質馬です。

今後は馬の成長を促すようなローテーションを組めれば、自然と「勝ち星」を増えていくのではないでしょうか。

 

チャレアーダ

父:ディープインパクト

母:グワダラハラ(母父:Acatenango)

既走馬相手の未勝利戦を初出走で1着と能力の高さを見せつけたチャレアーダ。その未勝利戦は1000m通過が61秒のミドルペース、四位騎手が促して先行勢のすぐ後ろに取りつくと、直線ではしっかりと脚を使い上り34.5の鋭さで快勝しました。

ディープインパクト産駒の牝馬としては462kgと馬格もあり、伸びやかなストライドで直線の坂を駆け上がったパワーも魅力です。

2戦目の君子蘭賞は、チューリップ賞5着のカワキタエンカ、フィリーズレビュー5着のヤマカツグレースと言った重賞好走馬を抑えて1番人気に支持されたチャレアーダでしたが、道中ではかかり通しになって直線ではじりじりと伸びては来たものの4着に押し上げるのが精一杯でした。牝馬の2戦目でテンションが上がってしまいまともな競馬にならなかったのは惜しまれます。

現在は放牧に出されているため、立て直した後は再び500万下からのスタートになります。今後は成長を促しながらレースを使うローテーションが組まれるはずで、秋華賞を目標にするのであれば秋までに2勝は上積みしたいところです。

チャレアーダもエクレアスパークルと同じように厩舎として「勝ち星」を稼ぐためには大切な存在になると思います。

 

まとめ

3歳のクラシックが開幕し、ダービー、オークスへ向けた戦いが中心になるなか、中内田厩舎は順調に勝ち星を重ねています。さすがに1〜2月にかけてのスタートダッシュは影を潜めましたが、それでも3着内率が5割を越えているのは立派です。

現在、全国調教師リーディング4位と好位置をキープしているので、夏までは3歳世代がどれくらい勝ち星を重ねられるかが重要になりそうですね。

2歳世代がデビューする時期になればまたガラッとリーディングも入れ替わりが起こるので、まずはそれまで中内田厩舎の好調が続くのかどうか……

 

以上、お読みいただきありがとうございました。