目黒記念('17)予想ーー8歳馬の春

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東京優駿の興奮も冷めやまぬ中で行われるのが、恒例の古馬中距離重賞「GⅡ目黒記念」。

この時期の古馬重賞は明け4歳馬vs5歳以上馬の対決に注目が集まります。目黒記念は過去5年で4歳馬が2勝。今年の出走馬の中ではカフジプリンスとラニの2頭が4歳馬ですが、上位に食い込むことはできるのでしょうか。

 

帯に短し襷に長しのメンバー

今年のメンバーの中で1番人気の支持を集めるのはヴォルシェーブ。昨年のアルゼンチン共和国杯でシュヴァルグランの3着に入った実力通りに、前走のメトロポリタンS(オープン)を快勝してここへ参戦します。ただ、スタートが甘い馬なので、戸崎騎手がこの内枠で勝負所を上手く捌くことができないと凡走もあり得る馬。

重賞実績のある馬も多いものの、昨年のこのレースを勝ったクリプトグラムは1年の休み明け、天皇賞・春2着のフェイムゲームは昨年から精彩を欠くレースが続いていることから一筋縄ではいかないレースになりそうです。

 

4歳馬の2頭は

先にも述べた4歳馬は個性的な2頭が出走します。そのカフジプリンスとラニについて簡単に解説を。

 

カフジプリンス

昨年、札幌で行われた阿寒湖特別(1000万下)を快勝し一躍菊花賞の穴馬候補に挙げられました。その後は重賞戦線でも善戦をするものの、3角くらいから騎手が促さないと馬群についていけないほどズブさの目立つ馬で、ここ数戦は噛み合わないレースが続いています。

瞬発力勝負では分が悪いので、捲りか大逃げしか活路がないのではないかと思わせるほど追わせる馬。目黒記念ではどのようにレースを運ぶのかな注目です。

 

ラニ

UAEダービーを勝ち、アメリカのダート3冠を完走したタフネスさを持つ馬です。こちらもトビが大きくズブいので、道中は追い通しになることがほとんど。

前々走で騎乗したムーア騎手が「芝」への転向を進言したことからここへ参戦してきました。こちらもどのようなレースをするのか注目の1頭。

 

予想

ペースはよほどスローにならない限り差し馬優勢なのが目黒記念のデフォルトなので、ストライドで伸びてくる馬を中心にピックアップします。

 

◎シルクドリーマー

7歳の春で短距離戦を中心に使われていた馬でしたが、黒岩厩舎へと転厩してからは中距離路線を歩み素質が花開きました。

前走のメトロポリタンSは直線で2度前が詰まりながらも立て直して、ヴォルシェーブの2着と好走。その前走よりも3kgの今回はこのメンバーであれば上位食い込みも十分に。

ストライドで走る馬なので、内枠からスムーズに外へ出せるかがポイント。枠並びを見る限り先行勢のすぐ後ろのポジションが取れそうなので、4角で早目に外へ出せれば良い脚が使えるはずです。

メイショウカドマツの逃げをマイネルサージュが突く展開ですから極端なスローにはならないと踏んで◎

シルクドリーマーの8歳の春に注目です。

 

◯クリプトグラム

昨年の目黒記念以来、1年の休養明けがどうなのか……は不安な点です。ただ、藤原英厩舎の管理馬なので、仕上げに関してはそこまで心配はないと思います。

その前走はGⅠ馬マリアライトに完勝の内容ですから、東京コースで能力全開となれば十分にチャンスはあるはずです。昨年も外枠から他馬をねじ伏せるように勝っているように、この枠は心配いりません。むしろ、斤量が昨年よりも2kg増しているのはマイナス。

勝ち切るまではどうかですが、ややスローからの瞬発力勝負であれば通用して不思議はありません。

 

▲モンドインテロ

父ディープインパクト×母父ブライアンズタイムですから、皐月賞馬ディーマジェスティと同じ配合。この馬もディープ産駒ながら高速の瞬発力勝負だと鋭さ負けをしてしまいます。走法としてはそこまでストライドが伸びるタイプではないので、東京ならスローが希望。

切れる脚がない分だけハイペースでもスローペースでもそこそこまでは来るので、相手としてはピックしやすい馬です。前走の大阪杯はさすがに敷居が高かったものの、最後は盛り返したの8着。今回は斤量も56.5kg止まりですから、好枠を活かしての好走を期待します。

 

△候補の馬たち

ここからは難解。ダービーで馬券をやられてしまったら、人気が薄めの馬をピックアップして幅広く待ちたいところです。

3連複系であれば配当を跳ね上げるための要員として2桁人気の馬を拾っておきたいですね。そんな視点で△を選びます。

 

△レコンダイト

△マイネルサージュ

△トルークマクト

△アルター

 

この中でも期待したいのは上の2頭。レコンダイトは芝がそこまで高速化していなければ重厚差しができる枠ですし、松山騎手もプラス(ダービーでアルアインが好走していることが前提ですが……)。

マイネルサージュは前に行く馬の中ではもっともこわい1頭で、メイショウカドマツのペースに付き合わずに直線ですっと抜け出す競馬ができればチャンスも。

トフークマクトは2400mが長いとのことで2000m前後に的を絞りましたがここ2走は結果が出せずに再びこの距離に戻りました。その辺りがどうなのかはありますがインをロスなく回って差し足が発揮できれば。

アルターは相手なりの馬なので、この枠で柴山騎手がのんびりと乗れば3着くらいには……という考えで。

 

ダービーの後にさらに傷口を広げることになるのか……。GⅠの後の重賞というのも楽しい反面悩ましいですね。

 

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。