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中京競馬場の芝が「また」高速化?! 2017年2回開催

中京競馬場 馬場

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2017年3月12日の中京メインとして行われたトリトンS(芝1400m 4歳上1600万下)は、2番人気のトーセンデュークが1着、1番人気のビップライブリーが2着に入る人気同士の決着になりました。配当面では平穏な結果になりましたが、驚いたのは1:19.6という勝ちタイムです。

 

中京芝は「時計がかかる芝」と言われていたのに…

2012年のリニューアルオープンに伴い、中京競馬場は「平坦小回り」から「直線が長く、坂がある」コースへと生まれ変わりました。

改修直後から、中京の芝コースは他の競馬場に比べて時計がかかって(タイムが遅い)いて、「タフ」で「重い」というのが予想をする上での認識でした。

ところが、昨年から芝が高速化しつつあります。

 

中京芝の高速化

「中京の芝が高速化している!」とはっきりと分かったのは2016年、GⅠ高松宮記念当日でした。

 

1日でレコードタイムが3つ更新

 2016年3月27日の中京では3つのレースでレコードが更新されました。その内の1つはJRAの芝2200mの「日本レコード」を塗り替え、高松宮記念アグネスワールドが小倉で記録した日本レコードに0.2秒差と迫る好タイム。時計がかかると言われた中京芝は他の競馬場と較べて「タイムが出やすい」馬場へと変化していたのです。

 

7R 4歳500万下 芝1200m

1着:ロイヤルストリート

タイム:1:07.3(コースレコード)

 

10R 名古屋城ステークス

4歳上1600万下 芝2200m

1着:グリュイエール

タイム:2:09.9(日本レコード)

 

11R GⅠ高松宮記念

オープン 芝1200m

1着:ビッグアーサー

タイム:1:06.7(コースレコード)

 

注目度の高いGⅠレースの開催された日ですから、多くの競馬ファンが芝の「高速化」を目の当たりにしました。

そして、元JRA騎手の安藤勝己氏も苦言を…

GⅠ開催週になると普段は馬券を買わない人も多く参加するので、「高速化」したことがよりクローズアップされました。

 

前日に高速化の前兆が…

高松宮記念も含めて1日に3レースでレコードが更新されたので、多くの人に強いインパクトを与えましたが、芝の高速化の前兆はすでに土曜日にも出ていたのです。

前日の土曜日、10R岡崎特別(4歳上1000万下 芝1200m)でシゲルチャグチャグが1:07.4のコースレコードをマーク。スプリント王者ロードカナロアが2013年の高松宮記念でマークしたのが1:08.1ですから、1000万下としては出色のタイムと言えます。

 

芝が高速化した理由

芝が高速化した理由はさまざまあると思います。その中でもっとも考えられるのはコース改修と共にリニューアルされた「路盤」が、多くのレース数を重ねるごとに踏み固められて締まり、硬く反発力のある状態の馬場へと変化したことです。

JRA馬場土木課への取材をもとに書かれた小島友実氏の名著『馬場のすべて教えます』のなかで、「中京の馬場を管理している本橋賢専門役」が興味深い意見を述べている箇所があります。

基本的に路盤は時間の経過と共に締まっていく傾向があります。

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 リニューアル当初は柔らかかった中京の馬場も路盤が締まったことで、少しずつ速いタイムも出る芝へと変化しているのです。

 

芝の高速化によって何が変わるのか?

勝ちタイムの速さは、好走した馬のスピード能力の高さを示しています。もともとサラブレッドは「スピード能力」を競うことで進化をしてきた歴史があるので、タイムの速さ=馬の強さとも言えます。

ただ、馬券を購入している競馬ファンにとっては、タイムが速くなることで何が変わるのか、または、どのように予想に取り入れるのかの方が気になるところでしょう。

芝の高速化によって変化したこととして、以下の3つのポイントが挙げられます。

 

1. 持ちタイムのない馬は苦戦

芝が重ければパワーのあるタイプの馬が好走しますが、タイムが速くなるとスピード優先の馬が活躍します。競走馬の中には「走れる時計に限界がある」タイプの馬がいるので、例えば、1分8秒台の持ちタイムしかない馬が1分7秒台の決着になってしまうと好走が厳しくなってしまうのです。

 

2. 内枠の先行馬にもチャンスがある

インコースは馬が通る回数が多いので、それだけ芝が踏み固められて硬くなりスピードが出るようになります。以前は馬が走れば走るほど芝が傷みタイムに影響が出ましたが、現在は芝の整備技術も進み傷みも少なくなっています。そのため、インコースの路盤が締まることで内枠の先行馬が止まりにくく、外枠の差し馬は走る距離が長くなる分だけ不利になってしまうのです。

 

3. 外枠の差し・追込みの有利さが薄れる

時計のかかる重い芝は逃げ・先行勢のスタミナを必要以上に奪うため、差し・追込み馬が有利になります。また、先行馬はほとんどが内目のコースを通るので、その馬たちが直線を向いて苦しくなりバテ始めると、内で脚を溜めていた差し馬たちの進路がなくなり、外目をスムーズに回った外枠の馬にチャンスが訪れるのです。反対に、馬場が硬くなり逃げ先行勢が踏ん張れる展開になると、上記のような優位性がなくなります。

 

中京競馬場は馬場の要素を除いたとしても、コースの形態として差し・追い込み馬が活躍しやすいという特徴があります。理由は以下の2つ。

1. 向こう正面から緩やかな下り坂が4角出口まで続く

差し・追い込み馬にとっては3〜4角で自然とスピードが上がり、先行勢にとっては必要以上にスピードが上がってしまいます。

2. 直線の急坂を上り切ってからゴールまで200mの距離がある

東京競馬場よりも勾配のきつい急坂を上りきった後でゴールまで200mの距離があると、先行馬よりもスピードに乗った差し・追い込み馬が届いてしまうこともあるのです。

 

馬場は日々変化するもの

馬場は日々変化をします。例えば、東京競馬場は降った雨をコースの外へと排水する設備が整っているため、重→良馬場に回復するのも早く、陽が出ていればよりラチ(柵)の内側から急速に乾き、インコースが圧倒的に有利な状況が発生することもままあります。極端な話、週毎に馬場が変化することもあれば、1日の内に傾向が変わってしまうこともあるのです。そうした馬場の変化に敏感になると、少しは馬券購入の際のヒントになるのではないかと。

 

まとめ

2017年3月12日、中京メインレースの芝でレコードが出たことは、開催の続く残り2週は馬場にも注意して予想をしていきたいところです。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。