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アドミラブルが素質でぶっこ抜いた青葉賞(2017年)ーー回顧

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「遅れてきた最後の大物」と形容される3歳牡馬のアドミラブルが、ダービー・トライアルの青葉賞を完勝し、競馬の祭典「東京優駿」へと向かいます。アドミラブルの計時した2:23.6はドゥラメンテが'15年のダービーと同タイム。混戦と言われる牡馬クラシック戦線で、一躍ダービーの有力候補に躍り出ました。

 

レース内容

アドミラブルはスタートを出負けして最後方からの競馬。レースは好スタートからアグネスウィンが逃げるところをタガノアシュラが押してハナを主張し、かかり気味のマイネルスフェーン、ダノンキングダム、ポポカテペトル、イブキといった有力馬が先行勢を占める流れ。向正面に入ったところで馬群はやや縦長だったものの、3角では一気に10馬身ほどに縮まります。タガノアシュラの作ったペースは前半1000mの通過が59.7のミドルで、ひと息を入れたい3〜4角にかけて後ろからプレッシャーがかかりましたから、結果的に先行勢は苦しくなりました。

3角からアドミラブルが外目を回って好位勢の後ろまでポジションを上げて直線へ入ります。「不利を受けないような安全運転」のコース取りで直線の半ばへ持ち出したアドミラブルは、ピッチ走法を活かしてあっという間に先頭に立つと外からベストアプローチが詰め寄るのに合わせてもうひと伸びして1着でゴール。続くベストアプローチが2着に入線しました。

アドミラブルは柔らかなフォームで走るパワーピッチで、ベストアプローチはパワーとスタミナが丸出しのピッチ走法なので、直線の坂を上ってからベストが引き離されたのは納得。もちろんポテンシャルの差もあるのでしょうが、ベストアプローチが坂下から一瞬「おっ!」と思わせる脚を見せたのはパワーで押すピッチだからで、ただ、そこからアドミラブルに離されたのはキレる脚が持続しないことを示しています。

アドミラブルもピッチ走法ですが、スピードに乗ってしまえばそのまま惰性で伸び続けることができるので、本来、直線の長いコースは割引のはずなのに直線で余力十分に他馬をぶっこ抜いてしまったのは力が違うという内容でした。

 

皐月賞組との比較

高速馬場の恩恵があったとは言え、今年の皐月賞は1:57.8のレースレコード決着になりました。外目を回ってもっとも持続的な脚を見せたダンビュライトは皐月賞、弥生賞ともに3着と好走している馬。青葉賞に出走して2着のベストアプローチは、馬群を捌き損ねて苦しい位置から追い込んだ弥生賞でダンビュライトと着差なしの4着ですから、今回のレースを観ればアドミラブルはGⅠレベルの脚を見せている計算にはなります。

皐月賞の1、2着馬アルアインとペルシアンナイトはマイルも走れるスピード型で、ダービーの2400mの距離を不安視する声も聞こえてきます。また、他の皐月賞組に目を向けても、高速馬場で力を出し切れなかったスワーヴリチャード、カデナ、ウインブライトらがダービーで巻き返せるのかは不透明です。

アドミラブルは血統的にも距離はどんとこいですし、時計勝負もOK。さらに、M・デムーロ騎手がこの馬に乗りたいためにダービーでのペルシアンナイト騎乗依頼を保留しているという話を聞こえてきて……。う〜ん、これはダービーでも上位人気が予想されます。

 

アドミラブルはダービーで好走できるのか?

馬場差があったとしても、東京芝2400mのコースを余力十分に走ってドゥラメンテと同タイムのアドミラブルは掛け値なしにもてるポテンシャルは一級品。ダービーはどうしても中弛みからの瞬発力勝負になりやすいレースなので、ピッチ走法から一瞬で抜け出せるアドミラブルには合っていると言えるものの、長い直線での叩き合いになった時に他馬をねじ伏せるだけの怪物級の能力があるのかはこれからじっくりと考えたいです。

アドミラブルが同じくパワーピッチのオルフェーヴル級の怪物なのかどうか……。東京の芝2400mをピッチでねじ伏せられるのかどうか……。

 

不安点

未勝利→アザレア賞→青葉賞の3戦は文句なしの勝ちっぷりでしたから、ダービーに向けて不安点を挙げるとすればレース内容というよりも体調の維持やローテーションになります。不安点は2つ。

 

1. 未勝利勝ちからダービーまでのローテーション

新馬戦の後、ノドの手術のために半年間の休養期間があるため、未勝利からダービーまでのローテーションが押せ押せになっています。

青葉賞を勝った馬はダービーで好走しても2着までで、これはこの時期の3歳馬にとって東京の芝2400mのレースを中3週でこなすのは体力的に厳しいことも影響しているはずです。余力十分の3連勝とは言え、やはり体調面の心配はつきまといます。

2. キツい競馬をしていない

ここでの「キツい」というのはレースでのペースの速さや、レース・タイムの速さではありません。アドミラブルは未勝利も青葉賞も好タイム勝ちのため、一見すると厳しい競馬をしているように見えます。先にも述べましたが、この3連勝は余力十分の内容。スタミナを振り絞っての叩き合いなどの経験がないので、キツい競馬になった時に今までのようなレースができるのかは不安があります。

青葉賞のように、大外を回ってぶっこ抜くような大味な競馬でダービーを勝てるのはディープインパクト級のポテンシャルがないと難しいので……アドミラブルがその域に達しているのかは不安です。

 

ベストアプローチについて

ベストアプローチはスタミナとパワーに優れた馬で、血統の字面通りの重厚感のあるピッチ走法が特徴です。本来は高速決着に向かないこの馬が2:24.0、ワークフォース産駒のアドマイヤウイナーが2:24.2の好タイムで走ったことを考えると、東京競馬場の馬場は「速いタイムは出るけれど、パワー型の馬に向く馬場」だったことが分かります。おそらく、このタイムは鵜呑みには出来ないもので、ダービーでも有力馬に上がるかもしれませんが、2000mがベストの馬が好走するダービーでは割引きたい一頭です。

 

アドマイヤウイナーについて

道中は中団から進め、前で粘っていたポポカテペトルを交わしての3着でダービーの出走権を獲得しました。

このレースでも大寒桜賞くらいは走っていて、派手さはないものの力は出し切った3着だと思います。

アドマイヤウイナー、ベストアプローチの2頭は血統としては「重い」ので、高速馬場が合っているタイプではありません。これらのパワーの勝ったタイプが好走していることを考えると、青葉賞は見た目のタイム以上にスタミナが要求されたレースだったと言えます。

ダービーは2000mがベストの瞬発力勝負型が好走しやすい舞台ですから、本番で通用するかは微妙なところです。

 

予想

パワーピッチのアドミラブルとベストアプローチをバッサリと切ったので、まったくトンチンカンな予想に……。

これだけペースが流れたのにも関わらず、脚の回転の速い2頭が直線で抜け出すとは……競馬とは難しいものです。

hakusanten.hatenablog.jp

 

まとめ

パワーピッチのアドミラブル、ベストアプローチ、そしてワークフォース産駒のアドマイヤが好走した青葉賞。昨年のヴァンキッシュランも母系がヨーロッパの重たい血統だったように、このレースはダービーよりもスタミナが問われるレースになりやすい傾向が……。

青葉賞の1着馬がダービーを勝てないのも、このことと関連しているのかもしれません。

内容十分に勝ち上がったアドミラブルにダービーで◎を打てるのか?  このピッチ走法が 東京の芝2400mのGⅠで◎に相応しいのかはこれからたっぷりとダービーまで考えられますね。

ああでもないこうでもないと、楽しみながらダービーを迎えるこの期間がもっとも幸せなのかも……。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。